各社の安全基準を、野菜の農薬使用、畜産物の薬剤使用、食品添加物の使用、放射能検査の4項目について比較してみました。
どの会社も、どの項目も最低でも国の基準は満たしていて、それよりも厳しい独自の基準を設けている会社も多いです。
とくに高評価なのが、オイシックス、大地を守る会、らでぃっしゅぼーやです。この3社は、野菜は特別栽培※や有機栽培※のもののみ、食品添加物もほとんど使わなかったりと、国の基準よりも厳しい自社独自の基準やこだわりを設けています。
※特別栽培農作物:各地域での慣行的な使用状況に比べて、節減対象農薬※の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下で栽培された農産物。(参考: 特別栽培農産物に係る表示ガイドライン)
※節減対象農薬:有機JAS規格で使用を認められているもの以外の化学合成農薬。
特に大地を守る会は全ての項目で国の基準よりも厳しく、放射能検査では業界トップクラスの厳しい基準値を設けるなど、他社と比べても厳しい独自の基準を持っていて、特に安全性へのこだわりが強いです。
安全な分、商品の値段は少し高くなってしまいますが、安全性や品質を重視したいという方にはこの3社がおすすめです!

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ミレーも特別栽培・有機野菜のみを取り扱っていて、畜産物もワクチン等の使用は必要最低限とし、安全性についての基準は厳しいです。ただ、添加物については、なるべく不使用とありますが、ハムやウインナーに発色剤やリン酸塩が使われているのが唯一気になりました。
また、パルシステム、生活クラブ、東都生協は生協の中では安全性へのこだわりが強いです。

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パルシステムと東都生協はバランス良く、生活クラブは野菜の農薬不使用はそこまで力を入れてないけど、食品添加物はかなり避けていますね。
コープデリ、おうちコープは、国の基準に基づいて、できるだけ不要なものは使わないというスタンス。一部有機野菜や薬剤不使用の畜産物の取り扱いもありますが、基本は国の基準に沿ったものを扱っています。
ヨシケイもコープデリ・おうちコープと同様、国の基準値を守るというスタンスで、あとはこの中で唯一、自社での放射能検査を行っていません。
野菜の産地を記入した紙を毎回配達のときに同梱して、産地を確認して利用できるようにはなっています。
各社の安全基準詳細
各社の安全基準をそれぞれ詳しくご紹介します。
大地を守る会
野菜について
大地を守る会は、畑にすむたくさんの微生物や虫などの自然の力を借りながら、健康的な土作りを実践していて、有機質肥料を使ったていねいな土作りが大きな特徴です。
さらに農薬の使用も厳しい独自の基準があり、農薬不使用率は他社と比べても高くなっていて、有機野菜・栽培期間中農薬不使用率は88%です。
手間ひまかかっても農薬以外の方法で雑草を取り除いて除草剤は原則使わず、病気や害虫の対策についても、できるだけ農薬を使いません。
畜産物について
牛、豚、鶏たちに国産の飼料を食べさせていて、生育初期と病気治療以外の抗生物質投与はしていません。
下記の許可されている薬剤以外は禁止されています。
- 肉用牛・乳用牛への抗菌性物質が添加された代用乳及び人工乳の給与
- 病気にかかる可能性が高い子豚の哺乳期の人工乳、及び離乳期、育成期の飼料への抗菌性物質の添加
- 当該地域に特定の病気が存在する場合、及び関係法規の元で義務付けられた場合のワクチンの投与
- 獣医師の診断で治療が必要と認められた場合の抗菌性物質を使用した病気治療
- 発情促進と分娩促進目的のホルモン剤の投与
参考: 大地を守る会 畜産物取扱基準
また、平飼いや放牧などのびのびとした環境で飼育するのを推奨して密飼いを禁止し、家畜が生まれてからの生育履歴を全て管理しています。
食品添加物について
化学調味料や合成着色料、保存料は使用せず、にがりや重曹など、製品を製造する上で必要不可欠なもの、安全性の高いものだけを使っていて、使用許可している食品添加物は国許可のものの約3%です。
また、原材料は基本的に国産です。
放射能検査について
多くの食品ジャンルで厳しい流通基準値を設定しています。
検出限界値を下げて検査時間が短縮できる「ゲルマニウム半導体検出器」を使って、子どもが食べる頻度が高い商品を重点的に検査し、さらに高精度検査機器「NaI(Tl)ガンマ線スペクトロメータ」を4台使い、野菜など多くの商品の自社測定も進めています。
測定の結果不検出だった商品は、お買い物サイトの「放射能不検出の食材」カテゴリに掲載されています。
その他のこだわり
国内の水産業を応援していて、水産資源の持続性に配慮しています。水産物に使われることが多い退色・酸化防止のための薬剤は使用していません。
らでぃっしゅぼーや
野菜について
反農薬を基本にしていて、土壌消毒や除草剤使用をせず、有機堆肥を使っています。
独自の基準(RADIX基準)を満たす農産物だけを扱っていて、全てが有機農産物か特別栽培農作物です。

野菜や果物は市場での買い付けではなく、全て契約生産者から直接買い付けです。生産者には、らでぃっしゅぼーやの理念を共有してもらい、全国各地で環境保全型農業に取り組んでいます。
畜産物について
平飼いや放牧など家畜の生理に合った環境で飼育しています。抗生物質などの投薬は原則禁止※で、飼料は非遺伝子組み換えをできる限り使い、環境に配慮した育て方をしています。
※哺乳期・育成期に限り、疾病予防の目的で使用する場合あり。また、駆虫剤、ワクチン剤についても、必要最低限の投薬は止むを得ないと判断した場合、使用する場合あり。
食品添加物について

らでぃっしゅぼーやで使用を認めているもの |
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炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)、炭酸カルシウム、乳酸、二酸化炭素(炭酸ガス)、塩化マグネシウム、酒石酸カリウム、二酸化硫黄・亜硫酸ナトリウム・次亜硫酸ナトリウム・ピロ亜硫酸カリウム・ピロ亜硫酸ナトリウム(亜硫酸塩)、ケトン類、脂肪族高級アルデヒド類、ラクトン類、脂肪酸類、粗製海水塩化マグネシウム(にがり)、焼成カルシウム(貝カルシウム)、金、グァーガム、クチナシ黄色素、未焼成カルシウム(コーラルカルシウム)、木灰、ミックストコフェロール(ビタミンE)、ペクチン、ベニコウジ色素、ベニバナ黄色素、焼成カルシウム(卵殻カルシウム)、植物レシチン、カロブビーンガム(ローカストビーンガム)、バター、バターオイル、ベルガモット、アカビートジュース、かぼちゃ、粉茶、ほうれんそう、紫芋、イカスミ色素、寒天、エタノール |
日本で使用が認められている添加物の約86%を不使用にしていて、使用しているのは、にがり、重曹、ワインの酸化防止剤の亜硝酸塩、炭酸ナトリウム(かんすい)など一部の添加物のみです。
また、遺伝子組み換え作物、遺伝子組み換え作物が原料になっている加工品は原則取り扱っていません。
放射能検査について
放射性物質の自主規制値は、不検出~国の基準の2分の1以下に設定していて、検査結果を公開しています。
その他のこだわり
独自の環境保全型生産基準の「RADIX」という商品取り扱い基準を設けていて、それを満たす商品を扱っています。
RADIXは、日本の気候や栽培環境の中で最大限、安心・安全な農作物を生産し、さらにそれが持続できるかに着目した、らでぃっしゅぼーや独自の基準です。
また、国内での調達が難しい果物や水産品などについては、外国産であっても、有機JAS認証や海外オーガニック認証、フェアトレードのものを扱っています。
オイシックス
野菜について
農薬ゼロを目指していて、農薬使用について詳細な”Oisix基準”を設けて、基準をクリアした農作物だけを扱っています。
- 無登録農薬の使用を禁止します。
- 適用外農薬の使用を禁止します。
- 残留時に発ガン性の疑いがある農薬を禁止します。
除草剤に関しては、必要最小限の使用を除き原則禁止します。 - 農薬使用回数、および化学肥料使用回数制限に関しては、極力減らすことを前提に、有機JAS認定栽培であること、栽培期間中当該地域慣行栽培の5割以下にすることを基準とします。
(Oisix基準より引用)
全て生産者がはっきりとわかるものだけを取り扱い、詳細な栽培管理記録を管理し、購入者にも情報をわかりやすく公開。
遺伝子組み換えの行われた農作物は取り扱わず、輸入品でも国産品と同じ安全基準のものだけを取り扱っていて、定期的に残留農薬検査もしています。
畜産物について
できるだけ自然に近い環境で育てられた、健康な畜産物だけを取り扱っていて、飼料の配合内容・配合比率などの情報は事前にOisixに提示され、Oisixが承認したものだけを扱っています。
成長促進剤は使わず、抗生物質の使用は生育初期や傷病時など必要最小限に抑えられていて、育て方や飼育場所などの素性が明らかな畜産物だけを取り扱っています。
食品添加物について
合成保存料・合成着色料を使っているものや、加工品の主原料として遺伝子組み換え原料を使ったものは取り扱っていません。
また、使用可能添加物などは細かくOisix基準を定めていて、その基準が守られているかを第三者機関である「食質監査委員会」で毎月承認してもらい、承認が取れないものは取り扱いません。
Oisixで使用を認めているもの |
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ビタミンC、ビタミンE、クエン酸、ペクチン、くん液、ソルビット、異性化糖(ブドウ糖果糖液糖など)、トレハロース、難消化性デキストリン、ピロリン酸鉄 |
できるだけ使用しないようにしているもの |
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アミノ酸、畜肉エキス(チキンエキスなど)、たん白加水分解物、魚介エキス、酵母エキス、有機酸、グリシン、タンパク自己消化物、デキストリン、グァーガム、キサンタンガム、イスパタ、イースト(パン酵母)、カラメル色素、カロチン色素、クチナシ色素、クロレラ、紅麹、パプリカ色素、葉緑素、赤キャベツ色素、ウコン、アナトー色素、ステビア、キシロース、セルロース、スクラロース、リンゴ酸Na、酒石酸、無水酢酸、モルトエキス、植物レシチン、ショ糖脂肪酸エステル、ピロリン酸K、硫酸鉄、かんすい、イーストフード |
Oisixでは使用しないもの |
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安息香酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸、プロピオン酸、その他合成保存料になるもの、食用赤色2号、食用黄色4号、食用青色1号、食用緑色3号、その他合成着色料になるもの |
放射能検査について
青果物・乳製品・たまご・鮮魚・精肉はすべて、流通前に検査をしていて、農水省などが指定する検査機関が使用している高精度精密分析装置、「ゲルマニウム半導体検出器」を使い、放射性ヨウ素と放射性セシウムが不検出だったものを「グリーンチェック商品」として販売しています。
その他のこだわり
水産品でも、海域汚染などのない安全な海でとれた魚だけを取り扱っています。天然の魚は、水揚げされた漁港と水域が確認できるものだけを扱っています。
水揚げ後の薬剤処理は必要最低限しか使っていません。養殖の魚も飼料に薬剤や抗生物質を使わず、やむをえない場合も必要最低限にしか使いません。
冷凍魚は、旨みを逃さない独自の方法で、水揚げ後産地ですぐに行うことで品質を保持しています。
コープデリ
野菜について
コープデリは、「農薬を使用しないこと」=「安全」と言うには科学的な根拠がなく、情報の混乱を招くことになるという考え方です。
農薬の使用については、生産性の視点も考えながら生産者と協力して、できるだけ農薬を使わないようにしていて、農薬取締法による「農薬の登録」、「農薬使用基準」を確認し、農薬の適用外使用(本来の使用方法以外の使い方)はしないようにしています。
一部、有機JAS農産物や特別栽培農作物を扱っていて、それらは「グリーン・プログラム」というマークがつけられています。

グリーン・プログラム有機栽培
有機JAS規格に基づき、化学合成農薬と化学肥料を原則使用せずに栽培された農作物。
グリーン・プログラム特別栽培
化学合成農薬と化学肥料の使用量を地域の慣行の50%以下に抑えた農作物。
畜産物について
必要のない動物医薬品等は使わない、必要な薬品を使う場合は必要な量だけ使うという考え方を基本に、 使用状況の把握と産地の点検・確認をしています。
2018年に、抗生物質・合成抗菌剤・駆虫剤を一切使用しない無薬飼料飼育の「えばらハーブ豚」の取り扱いを始めました。
また、放牧中心で、じゃがいもかすなど国産飼料を与えて、全飼育期間抗生物質を使わない牛肉も一部取り扱っています。
食品添加物について
必要のない食品添加物は使わない、必要な食品添加物を使う場合は有効な量だけ使うという考え方が基本です。
無塩せきの加工肉、無着色仕様の食品などは利用者から喜ばれていて、保存料や着色料、調味料(アミノ酸)などに頼らない商品の開発・品ぞろえを進めています。
放射線検査について
国が定めた検査対象の自治体で収穫された原料を使った食品、よく食べられている食品、乳幼児が食べる食品などを、優先順位をつけて検査していて、検査結果はホームページで確認できます。
その他のこだわり
オーガニック野菜や飼料にこだわった畜産物、無着色のたらこ等を掲載したカタログ「Vie Nature (ヴィ・ナチュール)」を発行しています。

また、品質管理のため、産地調査、工場調査、商品仕様書点検をしています。
産地調査では「GAP 点検」※と呼ばれる農作業工程の点検を、工場調査では製造工場を訪ねて製造環境・管理状況などを調査、商品仕様書点検では品質がコープの取り扱い基準を満たしているか、食品表示に間違いはないか、などを点検しています。
参考:農業生産工程管理(GAP)の共通基盤に関するガイドライン-農林水産省
おうちコープ
野菜について
残留農薬については食品衛生法の基準値を守るとともに、できるだけ農薬使用の少ない商品を提供するために、生産者とともに「適正農業規範(GAP )」の取り組み※をしています。
また、コープの産直野菜の中でとくに、化学合成農薬と肥料の使用を地域の一般的な農産物より半分以上減らした「グリーン・プログラム」という商品ラインがあり、農薬・肥料の使用状況によって「グリーン・プログラム」「グリーン・プログラム有機農産物」の2種類に分けられています。

グリーン・プログラム
農林水産省の特別栽培基準と同水準で栽培されているもので、節減対象農薬(※化学合成された農薬のうち、有機農産物のJAS規格で使えない農薬)と化学肥料を、各都道府県で定められた慣行栽培基準の1/2以下に減らして栽培されたもの。
グリーン・プログラム有機農産物
JAS法の有機栽培基準で栽培されていて、3年以上化学合成された農薬や化学肥料を使っていない田畑で栽培されたもの。
グリーン・プログラムの商品自体はまだ少なく、取り扱い野菜全体の1割未満です。
畜産物について
基本は国の基準にもとづいていますが、下記のオリジナルブランドのものがあります。
植物飼料中心に育て、全飼育期間中、飼料と飲み水に抗生物質・合成抗菌剤を一切使用せず、ワクチン投与しかおこなっていない特別飼育鶏「はぐくみ鶏」を取り扱っています。
豚肉は、出荷前60日以上飼料に抗生物質を添加しない「茶美豚」、120日以上添加しない「かごしま黒豚」、出荷時に残留していないことを基準にする「カナダ産ハーブ三元豚」を扱っています。
食品添加物について
国で認可されている食品添加物は基本的には安全という考え方ですが、食品安全基本法制定前に指定された指定添加物や既存添加物の中には安全性のデータや根拠がはっきりしないものがあるので、日本生協連のリスク評価をもとに、コープで基準を設定して運用しています。
放射能検査について
国の基準値をもとに、取扱商品の中から利用者の関心の高い商品や産地指定商品を中心に計画的に放射性物質の自主検査をして、検査結果を公開しています。
その他のこだわり
微生物基準:食品衛生法を基本に、基準化されていない食品や有害微生物については独自の管理数値と目標数値を設定しています。
水産物にも、薬剤をできるだけ使用しないグリーン・プログラムのうなぎや銀鮭があります。
パルシステム
野菜について
「農薬削減プログラム」を進めていて、独自に農薬のリスクを評価し、使わない農薬や使用回数などを定めた「エコ・チャレンジ」「コア・フード」という基準を設定して、それぞれの基準を満たす商品にはマークをつけています。
エコ・チャレンジ
化学合成農薬、化学肥料を各都道府県で定められた慣行栽培基準の1/2以下に減らし、パルシステムが定める「削減目標農薬」を使っていない農作物。
コア・フード
有機JAS認証を取得した「有機農産物」、またはそれに準ずると判断された農産物で、化学合成農薬、化学肥料を使わない(有機JAS認証での使用可能資材を除く)、パルシステムのトッププランド。
エコ・チャレンジ、コア・フードのマークがついている商品は全体の3割くらいです。
畜産物について
畜産物の中でも、鶏肉(産直鶏)やコア・フード牛は、全て飼料に抗生物質を添加せず、家畜にストレスがかからない環境で飼育しています。
他の牛肉や豚肉も全て国産で、産直肉中心、生後10ヶ月までの病気の時だけ抗生物質を使いますが、あとは薬剤を使用しないで飼育しています。
食品添加物について
国で安全と定められている食品添加物の約4分の1を使用不可としていて、着色料はタール系色素を使わない、天然由来でも使えるものをむやみに増やさないなど、独自の基準を設けています。甘味料用途での食品添加物の使用はありません。
放射能検査について
独自の基準を設け、自前の「商品検査センター」で検査をしています。結果を毎週お知らせしていて、放射能が検出された場合は産地と協力して減らすように取り組んでいます。

食品の残留放射能について自主基準を設定し、国の基準値の10分の1以下を基準にしていて、基準を超えるものについては供給を中止しています。
その他のこだわり
品質のよい生乳産地と産直提携して、低めの温度で殺菌する「パスチャライズド製法」の牛乳を取り扱っています。
一般的な牛乳より殺菌温度が低いこの製法には、菌数の少ない良質な生乳が欠かせないので、生産現場では毎日、牛舎の清掃や設備の洗浄、牛の乳房の消毒など、衛生管理の徹底に努めています。
生活クラブ
野菜について
食物に残る残留農薬が国の基準の10分の1未満を目標として目指しています。
栽培期間中に化学合成農薬や化学肥料不使用の野菜は「あっぱれ野菜」、できるだけ化学合成農薬や肥料の使用を抑えた野菜は「はればれ野菜」のマークをつけていますが数は少なめ。

また、「いつ・誰が・どこでどのように作ったか」という栽培履歴をすべて明らかにすることを基本としていて、毒性の強い農薬を優先的に減らして厳しい基準値を設定し、徹底した検品で品質をチェックしています。
畜産物について
どんな農場でどんな飼料で育ったのか、飼育履歴が明らかなものを扱うよう努めています。
牛の飼育では、遺伝子組み換え飼料や成長ホルモン、生後7ヶ月以降、病気の時以外抗生物質は使わないで飼育しています。
豚は平田牧場の豚肉を扱っていて、一般的な豚舎の1.3倍以上の広々とした飼育舎で育て、生後120日以降、原則として抗生物質は使用しません。
鶏は、手間を惜しまずできるだけ自然に近い環境の中で、ストレスなくのびのび育つように気を配って飼育しています。遺伝子組み換えでないエサを与えていて、原則として抗生物質を使用せず飼育しています。
食品添加物について

「疑わしいものは使わない」「不要なものは使わない」「使ったものは公開する」を原則に、使える食品添加物を85品目、日本で認められている食品添加物の約10.5%にまで減らしています。
放射能検査について
放射能の 「自主基準値」を設定していて、その基準は国の基準よりもはるかに厳しく、放射能検査数は日本一です。「ゲルマニウム半導体検出器」を使い検査をしています。
生活クラブの自主基準値
区分 | 基準値 |
---|---|
乳幼児用食品 | 不検出 |
飲料水、牛乳、米 | 5 |
鶏卵、鶏肉、豚肉、牛肉、乳製品 | 10 |
青果物、魚介類、加工食品 | 25 |
生椎茸 | 50 |
参考:国の基準値
区分 | 基準値 |
---|---|
乳幼児用食品 | 50 |
飲料水 | 10 |
牛乳 | 50 |
一般食品 | 100 |
既存の5台の放射能測定器(NaI/CsIシンチレーションカウンター)による検査と、これまで外部に委託していた高精度の検査も自社で行うことにより、より厳しく充実した放射能検査ができるようになっていて、検査結果はパソコンやスマホで確認することができます。
その他のこだわり
食品・おもちゃ・生活用品なども、生活クラブの厳しい自主基準をクリアしたものばかりで、環境にも配慮した製品を取り扱っています。
ミレー
野菜について
有機JAS認定を受けたもの(有機栽培農産物)、栽培期間中に化学農薬や化学肥料を使用しないか、または一般的な基準の50%以下に減らしたもの(特別栽培農産物)を取り扱っていて、すべての野菜に栽培方法・生産地・生産者を記載しています。
畜産物について
健全かつ衛生的な環境で飼育したもので、与えるえさが明らかになっているもののみを取り扱っています。
ワクチン等薬剤の投与は必要最低限に抑えていて、鶏肉は抗生物質不使用、豚肉も必要最低限の抗生物質以外は不使用です。
食品添加物について
使用している原材料がすべて明らかなもの、保存料や着色料などの食品添加物を極力使わないものを扱っています。
お惣菜や調味料、パスタソースなどは無添加のものばかりでしたが、ハムとソーセージは発色剤、リン酸塩が使われていました。
放射能検査について
公的機関に依頼をして、定期的に放射線測定を行っています。測定方法は、「ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スぺクトロメリーによる核種分析」です。
測定結果は、公的機関の証明書のついた測定結果書を毎月HP上で公表していて、現在全ての検査結果は不検出ですが、規制値を超えた野菜は販売停止になります。
その他のこだわり
ミレーの野菜は、農家から直接仕入れをして生産地から直接出荷されているので新鮮です。
東都生協
野菜について
いつ、どこで、だれが、どのように育てたのかが明らかな産直食材で、化学合成農薬や化学肥料をできるだけ減らしたものや、全く使っていないものを産地から市場を介さずに直送しています。
有機JAS認定のものに「東都みのり」、化学合成農薬・化学肥料50%低減のものに「東都わかば」、30%低減のものに「東都めばえ」というマークをつけています。

有機野菜の「東都みのり」の割合は全体の約18%です。
畜産物について
すべて国産の指定産地から配送しており、とくに、「北里八雲牛」は、放牧で飼育・自給有機飼料100%・病気以外の抗生剤不使用で飼育されていて、2009年に肉牛国内初の有機JAS認証を所得しています。
ほかも、鶏肉は全期間抗生剤不使用だったり、非遺伝子組み換えの国産飼料中心でのびのびとした飼育舎で飼育しています。
食品添加物について
ハムやウインナーは全て、発色剤、保存料、結着剤、化学調味料を使っていません。
また、化学調味料・着色料・増粘剤不使用のオリジナルの「東都無着色ソース」や、天然原料のみでつくった「東都つゆ」、非遺伝子組み換えで化学調味料不使用のマヨネーズなど、極力添加物を使わない商品を扱っています。
放射能検査について
事故発生直後の3月15日から、関東・東北の農畜水産物をはじめ、政府からの暫定規制値が上回った品目で重点的に自主検査を行い、その結果を全て公開しています。
自主検査では、ゲルマニウム半導体検出器で正確で高精度の測定をしています。
あわせて、短時間で正確な検査ができるNaI検出器とのクロスチェックをして対象品目・検体数を増やし、自主検査を強化して、NaI検出器で100ベクレル/㎏を超えた場合は、ゲルマニウム半導体検出器で再検査する「クロスチェック」を行います。
その他のこだわり
微生物検査、理化学検査、残留農薬検査、残留放射能検査の検査・調査を行っています。
また、遺伝子組み換え原料について、遺伝子組み換え原料不使用・主原料が遺伝子組み換え不分別・微量原料が遺伝子組み換え不分別の3種類のマークをカタログで表示しています。
ヨシケイ
野菜について
フランチャイズで全国各地に支社・営業所があるので、各支社で多少の違いはあるものの、その時々の旬の新鮮野菜を日本全国に求め、各産地から安全、安心を第一に考えた野菜を毎日仕入れています。
また鮮度保持の為、配達する直前に野菜をカットするなど、色、つや、形などの検品もしています。毎日配達される野菜と一緒に、産地が記載された紙が入っています。
畜産物について
ヨシケイはフランチャイズなので畜産品に関しても取り扱っている食品が地域で違う場合もありますが、例として下記を参考にしてください。
牛肉はオーストラリア産ですが、加工場から牧場を通して生産した農家までさかのぼることのできるトレース・バックシステムを完備して、商品の安全性、品質管理に努めています。ただ、「食彩」というコースの牛肉だけ、選び抜いた黒毛和牛です。
豚は育種から消費までを一貫したシステム管理を行っている、国産銘柄豚「和豚もちぶた」。肉質に影響を与える飼料は高品質のトウモロコシを主体にした穀類を独自の配合で与え、抗生物質は一切使っていません。
鶏は佐賀県産「ありたどり」で、とうもろこしや大豆など畑の栄養、ハーブの一種である「ケルプ」、鶏肉に旨みを出すエキス(約60種類の野菜や昆布)を使うのたっぷり与え、健康で安全、低脂肪で美味しく仕上げています。
食品添加物について
“独自の食品添加物基準である「Yリスト」を定め、安全・安心な商品の配送に取り組んでいる”とのことですが、化学調味料なども使われているので、特別厳しくはない印象です…!
放射能検査について
ヨシケイでは、特に自主検査をしていません。ただ、国の基準で基準値を上回った場合その生産している地域ごとに出荷が止められるので、汚染された食材が届くという事はないと思います。
その他のこだわり
安全・安心な商品をお届けできるように、品質管理の自主基準『YSO(ヨシケイ・セーフティ・オペレーション)基準』を定め、グループを挙げて品質管理の向上に努めています。
食材は注文が入った段階で調達して、ヨシケイの配送工場まで直送しています。ヨシケイでは食材在庫を工場で保管することなく、食材が収穫されてから最短期間で配達されるようになっています。
まとめ
総合的に安全性が高いのは大地を守る会、らでぃっしゅぼーや、オイシックスです。
三社の中で、放射能検査など全て一番厳しいところを選ぶなら大地を守る会からでぃっしゅぼーや、ミールキットが豊富だったり、便利さなども総合的に考えて選ぶならオイシックスでしょうか。
安全性を重視するならこの3社を選んでおけば間違いないかと…!
パルシステム、生活クラブ、東都生協も、先に挙げた3社と比べてしまうと、特に野菜の農薬不使用の割合については劣りますが、それでも安全性にこだわっている方だと思います。
有機野菜や、抗生物質不使用の精肉は育てるのに手間がかかって、値段はどうしても高くなってしまいます。
そこまでこだわらなくても、国の基準を守っていれば良いと考える方も少なくないとは思います。
ただ、とくに畜産物への抗生物質の使用に関しては、WHOも2017年11月に食用家畜における医療上重要な抗菌性物質(MIA)の使用に関するガイドラインを発表して、抗生物質が効かない耐性菌の発生を抑えるために、健康な家畜に成長促進や疾病予防目的での抗生物質投与をやめるべきという勧告を出しました。
食材宅配で買えるような抗生物質不使用の畜産物は、そういう動きを先行しているものとも言えて、難しい飼育法に努力してらっしゃる畜産家の方々を応援するためにも、できる範囲で購入していきたいなと考えています。
野菜もやっぱり有機栽培で品質の良いものというのはすごく美味しいので、利用していきたいですね。
安全性の基準がとくに高いのはこちらの宅配↓