介護食の宅配食のおすすめは?やわらか食、嚥下食の宅配まとめ

高齢になってくると、段々と噛む力や飲み込む力が弱くなっていきます。その人に合ったやわらかさで、1日3食の食事を用意するのは大変ですよね。

そんなご家庭の強い味方が宅配食サービスです。食事のやわらかさだけでなく、食欲をそそるような見た目、味、栄養バランスなど考えられているので、在宅介護中の方の負担を減らす助けになります。

このページでは、やわらか食や嚥下食など介護食におすすめの宅配サービス、 介護食の宅配サービスを選ぶときのポイントなどをまとめてみました。

おすすめの介護食宅配

やわらかダイニング

やわらかダイニングには、3つのやわらかさの冷凍弁当があって、栄養バランスはもちろんのこと、彩り豊かで見た目も美味しくなるように工夫されています。

程よいやわらかさの「ちょっとやわらかめ宅配食」、お箸でスッと切れる「かなりやわらか宅配食」、スプーンでつぶせる「ムースやわらか宅配食」の3種類です。

冷凍のお弁当なので、調理はレンジでチンするだけ。ご飯は付いていないので、自分で用意する必要があります。

メニューは豊富で、新メニューも日々開発されていますし、味がいいと口コミでの評判も良いです。

注文は、7食、14食、21食の食数で選べます。1食あたりの価格は、「ちょっとやわらかめ宅配食」が643〜657円、「かなりやわらか宅配食」と「ムースやわらか宅配食」が705〜743円となっています。

ヤマトクール宅急便での配送なので、全国各地に配送できます。都度購入だと700円の送料は、定期購入だと350円になります。

食宅便

食宅便は、病院や福祉施設への食事サービスも手がけている日清医療食品が提供している宅配食サービスです。

食宅便には、「やわらかい食事(あいーと)」という、見た目はそのままに、舌でくずせるくらいのやわらかさに調整された、冷凍の主菜があります。7品セットになっています。

主菜だけで、副菜や汁物、ご飯はついていないので、いつも頑張って介護食を作っているけどたまには楽をしたい、というご家庭向けだと思います。

「やわらかい食事(あいーと)」の宅配食7品セットは、A〜Cまで3種類あって、好きなコースを選べます。定期購入の場合は、A〜Cのコースが順番に届きます。

ヤマトクール宅急便の配達エリアなら、全国各地に配送可能です。1品あたりの価格は583円で、都度購入、定期購入ともに、1梱包(2セットまで)につき390円かかります。

レトルトの介護食なら パルシステム

食材宅配のパルシステムには、「ケア・さぽーと」という介護食や介護用品のカタログもあります。

歯ぐきでつぶせる程度のやわらかさの冷凍のお弁当や、3段階のやわらかさ別のレトルトの介護食が掲載されています。

中でも、冷凍弁当の「オムライスとハンバーグ弁当」(650円)は、「第2回介護食品(スマイルケア食)コンクール」で審査委員長賞を受賞しており、味や見た目が評価されました。(第2回介護食品(スマイルケア食)コンクールで受賞-パルシステム

冷凍弁当の種類は多くありませんが、レトルトのやわらか食や、介護用品も一緒に買えるので、買い物の手間が省けます。

配達手数料が半額または割引になるシルバー割引があるので、お得に利用ができますよ。

パルシステムの配送エリアは、東京、神奈川、千葉、埼玉、栃木、群馬、福島、山梨、静岡、新潟となっています。

介護食とは

介護食は、噛む力(咀嚼力)や飲み込む力(嚥下力)が弱くなった人が、栄養が吸収できずに痩せてしまったり、うまく噛み砕けないまま飲み込んで窒息したりしないように、食事をその人に合わせた大きさや、やわらかさ、形状にしたものです。

咀嚼嚥下食とも呼ばれています。

咀嚼力や嚥下力が低下している場合は、細かく刻む、やわらかく煮る・蒸す、とろみをつける、ペースト状・液状にするなど、個人に合わせた調理方法にする必要があります。

介護食の種類

常食(普通食)

咀嚼力や嚥下力の低下がほとんどない方は、健康的な一般の人が食べる食事と同じものを食べることができます。

きざみ食

常食を細かく刻んで、飲み込みやすくしたものです。飲み込む力はあるけど、咀嚼力が低下している人向けです。

軟飯食・軟菜食

ご飯やうどんは、常食よりもやわらかくして、野菜は煮る、蒸すの調理で油が多いメニューを控えたりして、消化の良い食事にしたものです。噛む力が弱い方だけでなく、消化不良を起こしやすい方に向いています。

やわらか食・ソフト食

固形の介護食を「やわらか食」「ソフト食」と呼びます。

日本介護食品協議会が定めたユニバーサルデザインフードという規格で、4つの柔らかさに区分されています。

ユニバーサルデザインフードのマークと区分を目安にして、適した介護食を選ぶことができます。

区分 噛む力 飲み込む力
容易にかめる かたいものや大きいものは食べづらい 普通に飲み込める
歯ぐきでつぶせる かたいものや大きいものは食べづらい ものによっては飲み込みづらいことがある
舌でつぶせる 細かくて軟らかければ食べられる 水やお茶が飲み込みづらいことがある
かまなくてよい 固形物は小さくても食べづらい 水やお茶が飲み込みづらい

参考:ユニバーサルデザインフードとは-日本介護食品協議会

とろみ食・ゼリー食・ムース食・ペースト食

液体や固形物などを飲み込みやすくするために、とろみを付けたり、ゼラチンでゼリー状にしたものです。飲み込む力が弱い人向けです。

ミキサー食

料理をミキサーにかけて液体にしたものを、とろみを付けたりして飲み込みやすくしています。

噛む必要がなく、飲み込みやすいので、噛む力のない方、嚥下障害のある方に向いています。寝たきりの人にも向いています。

流動食

重湯や具なしの汁物、葛湯、果汁などの液状の食事です。

手術後や、高熱などで、普通の食事が食べられない方、胃腸が弱くなっている方向けの食事です。

スマイルケア食とは?

スマイルケア食とは、農林水産省が2014年に発表した、栄養状態がよくない人や、噛んだり飲み込む力が弱くなった人向け介護食品の新しい呼び名です。

これまでの介護食は、単に刻んだり、ミキサーに掛けたりしたもので、食欲をそそるような見た目ではなく、食欲減退に繋がってしまっているという問題がありました。

スマイルケア食では、食べるのが楽しくなるような見た目、味、食べやすさに配慮するべきとしています。わかりやすいように色とマークで分類されています。

スマイルケア食の分類

マーク 対象 食品について
青マーク 咀嚼や嚥下に問題はないものの、健康を維持する上で、栄養補給を必要とする人向け エネルギーやたんぱく質などの栄養補助食品
黄マーク5 噛むことに問題がある方向け 容易に噛める食品
黄マーク4 噛むことに問題がある方向け 歯ぐきでつぶせ食品
黄マーク3 噛むことに問題がある方向け 舌でつぶせる食品
黄マーク2 噛むことに問題がある方向け 噛まなくてよい食品
赤マーク2 飲み込むことに問題がある方向け ペースト状の食品
赤マーク1 飲み込むことに問題がある方向け ムース状の食品
赤マーク0 飲み込むことに問題がある方向け ゼリー状の食品

参考:食べて元気に!スマイルケア食-政府広報オンラインスマイルケア食(新しい介護食)-農林水産省

介護食の宅配を選ぶポイント

介護食の宅配を選ぶポイントは次の4つです。

  1. 自分に合ったやわらかさのお弁当の取り扱いがあるか
  2. メニューが豊富か、味が好みか
  3. 簡単に注文できるか
  4. 続けやすい価格か

自分に合ったやわらかさのお弁当の取り扱いがあるか

噛む力や飲み込む力に合った食事でないと、誤嚥で窒息してしまったり、細かく噛み砕いて飲み込まないと、消化不良で栄養を吸収できずに栄養不足に陥ったりしてしまいます。

また、うまく噛めない、飲み込めないという負担で、食事が楽しくなくなってしまいます。

宅配食のお弁当は、どんなやわらかさのものでも、色鮮やかで食欲をそそるように作られているので、自分にあったやわらかさを一番重視して選んでみてくださいね。

メニューが豊富か、味が好みか

毎日の食事が楽しみになるかどうかも、介護食を食べて健康を保つためには重要なポイントになります。

どの宅配食も、見た目や食感にこだわっていますが、見た目や食感だけでなく、飽きないようにメニューが豊富か、好みの味付けかどうかも、毎日の食事を楽しむためには大事です。

簡単に注文できるか

高齢になると、インターネットからの注文は難しいと感じる方も多いかもしれませんが、やわらかダイニングや食卓便なら電話でも注文できます。

また、どの宅配食も、一度手続きをすれば定期的に届けてもらえる定期購入もありますので、ご家族の方が代わりに手続きをしてもいいと思います。

続けやすい価格か

手術後で一時的にやわらかいものしか食べられない…という状況でない限りは、ずっとやわらかい食事を食べていくことになります。

1食あたりの価格が安いタイヘイのファミリーセットは、5,000円以上の購入で送料が無料になりますし、やわらかダイニングは定期購入で送料が半額になるので、1回に届けてもらいたい食数と、お弁当の価格、送料を合わせて、選んでみてください。

その他Q&A

無添加の介護食宅配はある?

残念ながら、無添加の介護食宅配はありませんでした。

特に、ムース食はゲル化剤や増粘剤と呼ばれる、とろみを付ける添加物を使うので、どうしても無添加で作ることができません。

でも、どの介護食宅配も安全面に考慮し、管理栄養士考案の栄養バランスの取れたメニューばかりですので、安心して食べていただけますよ。

レトルトの介護食の宅配はある?

生協系の宅配サービスで、レトルトの介護食の扱いがあります。それぞれの宅配サービスのカタログと、取り扱い商品は以下の通りです。

やわらかさや、種類が豊富なのは、パルシステムとコープデリです。

宅配サービス カタログ名 取り扱い商品
パルシステム パルシステム ケア・さぽーと 歯ぐきでつぶせるやわらかさの冷凍弁当(3種)、レトルト介護食(約25品)、大人用オムツなどの介護用品
コープデリ コープデリ Care Time ユニバーサルデザインフードの4区分表示があるレトルトのやわらか食(約40品)、大人用おむつ、体ふき、消臭剤などの介護用品
東都生協 悠遊生活 やわらかめのレトルト介護食(約15品)、常食の冷凍弁当やレトルトパック(約6品)、介護用品など

とろみ調整食品とは?宅配で売ってる?

とろみ調整食品とは、飲み物や食べ物に混ぜることで、とろみをつけて飲み込みやすいようにできる粉末の食品です。

水にとろみをつけて薬を飲みやすくしたり、ミキサー食などの液状の介護食に混ぜて、飲み込みやすくするのにも使われます。

適切なとろみの状態は個人で違うので、医師や栄養士に相談して決めます。

とろみ調整食品は、コープデリと東都生協で取り扱いがありました。

アレルギー対応の介護食の宅配はある?

どの宅配食にも、アレルゲンの表示がされていますが、アレルゲンとなる食材を抜いての個別対応はされていませんので、メニュー表を見て確認する必要があります。

やわらかダイニングでは、メインメニューからに限って、食べられない食材を抜いてもらうことができます。

まとめ

介護食に一番おすすめなのは、介護食専門に扱っている宅配食のやわらかダイニングです。3種類のやわらかさの宅配食から購入できます。

噛む力が少し弱くなった、飲み込む力が少し弱くなった…という程度なら、やわらかダイニングの「ちょっとやわらかめ宅配食」が合っていると思います。

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