腎臓病でたんぱく制限や減塩したい方におすすめの宅配食

腎臓病でたんぱく質や塩分を制限されている場合、ご本人にとってもご家族にとっても、毎日の献立を考えるのはとても大変ですよね。

そんなときに強い味方となるのが宅配食で、塩分やたんぱく質を一定数値以下におさえて栄養バランスもとれた献立を、管理栄養士が考案してくれているので安心して食べることができます。※

今回は、腎臓病の方など、たんぱく質と塩分を制限されたい方におすすめの宅配食を、疾患タイプ別の食事療法や、宅配食選びのポイントと一緒にご紹介します。

※ 制限食をおこなうときは、必ず主治医の指導のもとでおこなうようにしてください。

たんぱく・塩分制限のおすすめの宅配食

たんぱく質や塩分を制限したい方に、おすすめの宅配食をまとめました。

メディカルフードサービス

MFS健康うちごはん

メディカルフードサービス(MFS)の健康うちごはんには、「MFSタンパク制限食」があり、タンパク質や塩分の制限量に応じて、A・B・Cの3つのコースが用意されています。

毎日日替わりのメニューで、お届け頻度や食数がすごく柔軟に選べたり、主菜が肉のみ/魚のみ/両方のコースがあったりと、制限食を飽きずに続けたい方にぴったりの宅配食です。

また、冷凍ではなく、冷蔵で届くプレミアムコースもあります!

MFS健康うちごはんは美味しいのか?実際試してみた!写真レポート

ウェルネスダイニング

ウェルネスダイニング
ウェルネスダイニングは制限食の宅配食サービスで、価格も高すぎず味がいいと評判で、一番おすすめです。

たんぱく質・カリウム制限をしている人向けには、「たんぱく質&塩分制限気配り宅配食」というコースがあります。

1食あたり300kcal以上、塩分2.0g以下、たんぱく質10g以下、カリウム500mg以下で計算して作られています。

メニューは豊富で、毎月新メニューが追加されています。

注文は、7食、14食、21食の食数で選べて、1食あたりの価格は1食あたり662〜686円となっています。

お弁当はおかずのみですが、別売りで、低たんぱくのパックご飯があって、12食単位で注文できるようになっています。

ヤマトクール宅急便での配送なので、全国各地に配送できます。都度購入だと700円の送料は、定期購入だと350円になります。

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メディミール



メディミールは管理栄養士がメニューを考案し、さらに看護師や理学療法士ら医療専門チームが監修した、制限食の宅配食サービスで、たんぱく質&塩分制限のコースがあります。

1食あたり、カロリー300kcal以上、塩分2g以下、たんぱく質10g以下、カリウム500mg以下で、たんぱく質・カリウム・リン・塩分の摂取量を極力抑えたメニューになっています。

メディミールも、注文は、7食、14食、21食の食数で選ぶことができ、1食あたりの価格は1食あたり619〜698円です(まとめ買いするほどお得)。

送料は都度購入では税別800円、定期購入では400円になります。

食宅便

食宅便は、病院や福祉施設への食事サービスも手がけている、日清医療食品が提供している宅配食サービスです。

たんぱく質制限をしている人向けに、「たんぱくケア」という、主菜を含めて5品のおかずが、7食セットになっている冷凍宅配食があります。ご飯は付いていませんが、別売りで白米7食セットも一緒に買えます。1食あたりの価格は574円と安めです。

「たんぱくケア」の宅配食7食セットは、A〜Fまで6種類あって、好きなコースを選べます。

定期購入もできて、A〜Fのコースが順番に届きます。

150gのご飯を食べた場合、450〜550kcal、たんぱく質13g、塩分2.0g、カリウム500mg、リン270mg以下となるように計算されています。

ヤマトクール宅急便の配達エリアなら、全国各地に配送可能です。定期購入しても送料は無料にならず、1梱包(2セットまで)につき390円かかります。

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タイヘイファミリーセット

グループホームや保育園などの施設への食事サービスをしているタイヘイの家庭向け宅配食ファミリーセットでは、たんぱく質制限者向けの冷凍弁当「スマイル御膳」があり、定期購入もできます。

4食、6食、7食から選べて、決まったお届け日に届きます。メニューは週替わりです。

スマイル御膳は、一食あたり約350kcal、たんぱく質10g以下、塩分は約1.8gに抑えてあります。ご飯は付いていませんが、4品のおかずに1品のデザートが付いていて、食事としての満足度が高めです。

ご飯はありませんが、別売りで白米や、低たんぱくのパックご飯があります。

ヤマトクール宅急便で全国各地に配送できて、5,000円以上の購入で送料無料になります。1食あたりの価格は890〜912円なので、他社と比較すると高めです。

【タイヘイの宅配食ファミリーセット】口コミでの評判やメニューまとめ

腎臓病とは

腎臓病は、血液中の老廃物や塩分をろ過する糸球体が炎症を起こしたり、老廃物の排泄不全になったりなどの理由で、腎臓の働きが悪くなる病気です。

尿検査や血液検査などで調べることができますが、腎臓病の初期は自覚症状がなく、腎炎の場合は10年以上も無症状で経過してしまうので、定期的に尿検査を受ける必要があります。

また、慢性腎不全になると、体内の老廃物を尿で排泄できずに、血液中に有害な物質が多くなったり、逆に、体に必要な成分が尿で出ていってしまったりします。

水分や血圧の調整ができなくなって、むくんだり、血圧が高くなることもあります。

病気が進行すると腎機能は回復しなくなって、全身の臓器にも異常をきたしてしまうので、治療を続けることが大事です。治療を続けることで自覚症状は消えます。

参考:腎臓病の食事「腎臓病とは」-東京都病院経営本部

腎臓病の種類

腎臓病の中にもいろいろな種類があって、原因や症状が違います。

病名 内容
急性腎炎(急性糸球体腎炎) 腎臓の糸球体内に急性の炎症変性を起こしている状態です。小児に多い病気で、急性扁桃腺炎や咽頭炎による発熱や、咽頭痛が治ってから、約10~15日後に発症することが多いです。80~90%は治りますが、一部は慢性腎炎などに移行することがあるので、早期発見が大切です。
慢性腎炎(慢性糸球体腎炎) 急性糸球体腎炎の発症後、1年以上、血尿やたんぱく尿などの尿異常や高血圧を継続するものです。明らかな急性糸球体腎炎の症状がなくても、異常尿所見が1年以上持続するものも慢性腎炎となります。
ネフローゼ症候群 高度のたんぱく尿と低たんぱく血症、高脂血症、浮腫などがある症候群です。
糖尿病性腎症 糖尿病の代表的な合併症です。通常、糖尿病歴5〜10年ほどで、腎機能が徐々に低下していき、やがては腎不全に至ります。日本では、透析患者数の約4割が、糖尿病患者で占められています。
急性腎不全 何らかの原因によって腎機能が急速に低下して、腎臓での老廃物の排泄不全が一時的に起こり、老廃物の排泄が正しく行われない状態です。適切な治療で治る疾患です。
慢性腎不全 様々な腎疾患が元に戻らずに進行して、老廃物の排泄が正しく行われない状態です。腎機能が回復する可能性は非常に難しいです。初期は無症状ですが、進行すると、腎機能低下に伴って、いろいろな症状があらわれ、やがて末期腎不全(尿毒症)に至ります。

腎臓病の治療法

腎臓病の治療では、薬物療法や食事療法のほかに、日常生活での心がけも必要になります。

特に大事なのは、食事療法です。

慢性腎炎や慢性腎不全の状態になっても、きちんと食事療法を続ければ、健康な人と同じように生活ができますし、悪化して人工透析になった場合でも、継続して食事療法していくことになります。

腎臓病の食事といえば、食塩を減らすイメージが強いですが、その他に重要なのが、たんぱく質を制限することと、十分なエネルギーを摂ることです。

たんぱく質、エネルギー、食塩をどのくらい摂ればいいのかは、一人ひとりの症状によって違うので、医師の指示量や管理栄養士の食事指導に従いましょう。

症状別の食事療法は下記を参照してください。

腎臓病の方の食事について

腎臓の方の食事で注意するポイントは、次の3つです。

  1. たんぱく質は摂りすぎないようにする
  2. エネルギーが不足しないようにする
  3. 塩分は控えめにする

また、腎機能の低下が進むと、たんぱく質や塩分だけでなく、カリウムやリンの排泄も減少し、「高カリウム血症」や「高リン血症」になって、不整脈や脳梗塞・心筋梗塞の原因にもなるので、症状によっては、カリウムやリン、水分を控えるよう指示されることもあります。

たんぱく質は摂りすぎないようにする

腎臓機能が弱っているため、たんぱく質を多く摂りすぎると、腎臓からしか排泄されない尿素窒素やクレアチニンなどが多くなり、腎臓への大きな負担になります。

たんぱく質は魚や肉だけではなく、ご飯、パン、芋類、果物、野菜などにも含まれているので注意が必要です。

制限量を守りつつ、指示された1日のたんぱく質量をいろいろな食品から取るようにしましょう。

エネルギーが不足しないようにする

たんぱく質が体内で有効に利用されるよう、エネルギーは不足しないように気をつける必要があります。

エネルギーが不足すると、体内のたんぱく質が分解されてエネルギー源になって、体内の尿素窒素が増えてしまいます。たんぱく質を多く食べたことと同じ状態になるので、たんぱく質を制限する意味がなくなります。

たんぱく質が含まれていない砂糖・でんぷんや油類を上手に取り入れるのがポイントです。サラダ油、マヨネーズ、ドレッシング等の油類は少量で高カロリーが摂れるのでおすすめです。

ただ、甘い和菓子や洋菓子は、たんぱく質も多く含まれているので気をつけてくださいね。

塩分は控えめにする

ナトリウムを排泄する能力が落ちている状態なので、食塩を控える必要があります。高血圧の方は、特に食塩の制限が必要です。

ハムやソーセージなどの加工食品、はんぺん、かまぼこ等の練り製品はできるだけ控えた方がいいです。

漬け物、佃煮、干物はやめて、味噌汁などの汁物も意外と塩分が高いので、半量にするか飲まないように調整します。

減塩だと少し味気なくなりますが、レモンや酢など、酸味を加えるとおいしく食べられますよ。

疾患別の食事療法

だいたいの摂取量やポイントは、疾患ごとに次のような基準があります。ただ、実際は一人ひとり異なるので、医師への確認が必要になります。

共通しているのは、たんぱく質を減らした分、エネルギー量を増やす点です。

エネルギーが不足すると、たんぱく質を分解して補おうとするので、結果として、たんぱく質をたくさん摂取しているのと同じになってしまい、制限している意味がなくなってしまいます。

標準体重※によって、1日のたんぱく質やエネルギーの摂取量が決まりますが、必要エネルギー量は必ず摂取するようにしましょう。

※標準体重=身長(m)×身長(m)×22

糸球体腎炎(急性腎炎、慢性腎炎)の場合

急性腎炎の急性期・回復期と、慢性腎炎で摂取量の目安が変わります。

表の数値は、それぞれ標準体重1kgあたりの、1日に摂取できる量です。

疾患名 総エネルギー たんぱく質 食塩
急性腎炎(急性期) 35kcal 0.5g 0〜3g
急性腎炎(回復期) 35kcal 1.0g 3〜5g
慢性腎炎 30〜35kcal 0.6〜1.0g 5〜8g

高齢者や肥満の方の場合は、エネルギーを減らします。

また、食塩は、浮腫や高血圧の症状があれば制限し、利尿剤を使用している時は低ナトリウム血症が生じやすいため注意が必要です。

水分は、尿の量が減ってきたときに制限します。

ネフローゼ症候群の場合

たんぱく質は、一般の方(標準体重1kg当たり1.3g)よりもやや少なめの、標準体重1kg当たり0.8~1.1gの範囲に制限します。

エネルギーは標準体重1kg当たり35kcalを摂るようにします。

食塩は、1日5〜6gにしますが、浮腫がひどい時は1日0~4gの制限となります。

水分制限はほとんどしません。

腎不全の場合

たんぱく質は、標準体重1kg当たり0.6~0.7gと、厳しく制限されます。

エネルギーは、標準体重1kg当たり35kcalは必要となります。

食塩は、全身のむくみや、高血圧の症状があるため、1日7g以下にします。

水分は、浮腫および尿量により制限し、場合によっては、カリウム・リンの制限もあります。

参考:腎臓病の食事「食事療法のポイント」-東京都病院経営本部腎臓病の食事「疾患別食事療法まとめ」-東京都病院経営本部

CKDステージ別の食事療法

慢性腎臓病(CKD)は、その重症度に応じて、5段階のステージに分けられています。

腎臓病予備軍には発症予防、既に患っている人には重症化予防のために、食事療法基準があります。

ただ、糖尿病も患っている人は、血糖管理のためにエネルギー制限も必要になるので、医師や栄養士に相談しながら食事制限を進めていく必要があります。

G1〜G5の各ステージで共通していることは、1日あたりの食塩摂取量とエネルギー必要量です。食塩摂取量は3〜6g、エネルギーは標準体重あたり25〜35kcalになっています。

その他は、各ステージで気をつけるポイントが違います。

CKDステージ G1〜G2

肝臓の機能が正常〜軽度に低下している状態です。もしかしたらCKDかもしれない、くらいのステージです。

たんぱく質は、標準体重1kgあたり1.3gを超えないよう、過剰摂取に注意します。

CKDステージ G3〜G5

たんぱく質量は、ステージG3aでは0.8〜1.0g、ステージG3b・G4・G5では0.6~0.8gと、厳しく制限されています。

カリウムの制限の目安は、ステージG3bでは2,000mg以下、G4~G5では1,500mg以下となっていますが、服用している薬や症状などで変わる場合があります。

リンや水分についても、症状によって制限します。

CKDステージ エネルギー たんぱく質 食塩 カリウム
ステージG1 25〜35kcal 過剰な摂取をしない 3〜6g 制限なし
ステージG2 25〜35kcal 過剰な摂取をしない 3〜6g 制限なし
ステージG3a 25〜35kcal 0.8~1.0g 3〜6g 制限なし
ステージG3b 25〜35kcal 0.6~0.8g 3〜6g 2,000mg以下
ステージG4 25〜35kcal 0.6~0.8g 3〜6g 1,500mg以下
ステージG5 25〜35kcal 0.6~0.8g 3〜6g 1,500mg以下

参考:腎臓病を悪化させないために毎日の食事で気をつけること-知ろう。ふせごう。慢性腎臓病(CKD)慢性腎臓病(CKD)-厚生労働省

腎臓病の方の宅配食を選ぶポイント

腎臓病の方向けの宅配食を選ぶ時のポイントは、次の4点です。

  1. 症状に合わせたカロリー・たんぱく質量になっているかどうか
  2. 続けやすい価格か
  3. メニューが豊富か
  4. ごはんも一緒に買えるか

症状に合わせたカロリー・たんぱく質量になっているかどうか

腎臓病の食事は、自分の症状に合わせて、たんぱく質量をコントロールをすることがとても大切です。

たんぱく質を制限した分、エネルギーの摂取量は増やさなければならないので、十分なカロリーがあるかどうかも重要なポイントになります。

続けやすい価格か

カロリーやたんぱく質、塩分の量を気にしながら食事を用意するのは、ご本人も調理する家族も、なかなか大変で負荷が大きいです。

その負担を減らしてくれる強い味方が宅配食なのですが、値段が高いと継続が難しくなってしまいます。

まとめ買いで送料を節約できるところや、定期購入で送料が安くなるところがあるので、お弁当の価格と送料を合わせて宅配サービスを選んでみてください。

メニューが豊富か

同じようなメニューが続くと、飽きてしまって食事制限を続けるのが難しくなりがちです。

献立は固定なのか、週替わりなのか、季節ごとに替わるのか、など、メニューの豊富かどうかは、毎回楽しみながら食事をするための大きなポイントになります。

パックご飯も一緒に買えるか

白米にも、150gあたり約3gと、意外とたんぱく質が含まれています。

なので、病状によっては白米を食べる量も制限されてしまう場合があります。

ウェルネスダイニングなどは低たんぱくのパックご飯を取り扱っているので、そちらを利用するのもおすすめです。

まとめ

腎臓病の方に一番おすすめなのは、ウェルネスダイニングです。味と内容と価格のバランスが良くて、新メニューが毎月追加されるので、飽きずに続けやすくなっています。

あとは、価格で選ぶなら食宅便、お弁当の内容の充実度で選ぶならタイヘイも良いと思います。

それぞれの宅配食の詳細・口コミはこちら↓

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